収入印紙が必要な「課税文書」とは?対象文書やその根拠を解説

受け取り金額5万円以上の領収書や、契約金額1万円の契約書には、収入印紙を貼って消印(割印)をすることが必要です。

これはなぜかと言うと、領収書や契約書は取引金額に応じて「課税文書」となるためです。

それでは、「課税文書」とは一体何なのでしょうか?

今回の記事では「課税文書」の考え方、該当する文書、FAXや電子メールで送った場合、電子取引の場合はどうなる?といった、課税文書にまつわる細かな疑問について解説します。

1.課税文書とは?

そもそも「印紙税」とは、経済取引に付随して行われる「文書」の作成行為をとらえて課税するもの。

税の種類からいえば「流通税」「文書税」に該当します。

つまり経済取引の中で、ある程度取引金額が大きくなってきたら、その取引の当事者間に「担税力(=税を担う力)」があると見なされ、税(=印紙)を収める義務が課される、ということです。

その取引に付随する「文書」を作成した際、取引金額に応じて、作成者に租税納付義務が課せられます。

こうした「印紙税」は、日本だけでなく、イギリス、フランス、イタリアなど諸外国でも古くから採用している租税なのです。

参考:各税の大要|国税庁
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/nyuumon/pdf/04.pdf#page=14

2.課税文書一覧-課税文書に該当するもの、課税の対象となる文書

前述した「課税文書」に該当する文書は、次表に掲げる通りです。

この中で「契約書」については「1号文書」「2号文書」「7号文書」を、「領収書」については「17号文書」を参照してください。

参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7141.htm

3.領収書や契約書をFAXや電子メールで送った場合は?

領収書や契約書をFAXや電子メールで送った場合には、収入印紙を貼り付ける必要はあるのでしょうか?

その答えは、「不要」です。

理由は、実際に「文書」が交付されないので、印紙税の課税原因が発生しないためです。

また、FAXや電子メールを受信した相手方がプリントアウトした文書も、課税文書としては取り扱われないため(※交付者が作成した文書ではないから)、印紙は不要です。

ただし、FAXや電子メールで文書を送信した後に、改めて、紙の文書を「原本」として持参・郵送する場合には、取引金額に応じて印紙税の課税文書となります。

要は、「紙の文書」を相手方に渡すかどうか、ということがポイントになります。

つまり、

・「データ送信」だけなら印紙は不要。
・「紙の文書」を別途発行するなら印紙は要る。

ということです。

参考:コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/inshi/5111/01.htm

4.電子契約の場合は?

ペーパーレス化された「電子契約」の場合にも、紙の文書が存在しませんから印紙税法の「文書」には該当しません。

よって、契約金額が1万円以上であっても、収入印紙は「不要」となります。

電子契約なら収入印紙代を丸ごとカットできますから、日々の業務の中で契約書を作成する場面が多い方は、電子契約システムを導入することで大幅なコストカットを期待できでしょう。

5.「紙の文書」が存在するかどうか、取引金額はどうか

課税文書とは何か?ということを解説してきましたが、要は「紙の文書」が存在するかどうか、そして取引金額の額面はどうか、が大きな判断ポイントとなります。

また、昨今「電子取引」も増えていますが、このようなケースにおいては「紙の文書」が存在しないため、収入印紙は不要です。

正しい知識を身に着け、収入印紙の適正な運用をしていきましょう。

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