DX・デジタル化関連 大臣発言まとめ(2021年4月)

国の「デジタル化」推進に向けた、各大臣の発言まとめをお伝えします。

1.「デジタル研究開発推進に向け、日米コアパートナーシップに合意」菅総理

菅総理は4月16日の日米共同記者会見の中で、次のように述べました。

「バイデン大統領とは、両国が世界のより良い回復をリードしていく観点から、『日米コアパートナーシップ』に合意し、日米共通の優先分野でもあるデジタルや科学技術の分野における競争力とイノベーションの推進、コロナ対策、グリーン成長、気候変動などの分野の協力を推進することでも一致した。

競争力とイノベーションについては、特に、デジタル経済や新しい技術が社会の変革と大きな経済機会をもたらすとの認識の下で、デジタル分野を始めとする様々な分野の研究、開発の推進に、日米が協力して取り組んでいくことで一致している」

参考:令和3年4月16日 日米共同記者会見|首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/index.html

2.「デジタル庁民間人材公募第2弾 5月10日まで」平井デジタル改革担当相

平井デジタル改革担当相は定例記者会見で、次のように述べました。

(1)デジタル庁先行採用者業務開始 リモート人材も既に採用

「デジタル庁創設に向け、先行プロジェクト推進を行うエンジニアと、デジタル庁での民間人材採用の全体戦略を担うリクルーター等を採用するため、今年1月から募集選考を実施してきた。

約30名の募集に対し約1400件、40倍を超える応募があったが、厳正な選考の結果35名を採用。

大半は4月12日より業務を開始いただく。

今般採用した方々については、年齢は20代から60代と幅広く、経歴もスタートアップにお勤めの方もいれば、自身の会社を経営している方、大企業を辞めて参画される方など、様々な優秀で志の高い方々を採用できたと考えている。

今後も必要な職種について随時募集を行っていく予定。

デジタル庁の理念や価値観に共感し、新しい組織文化やデジタル改革推進に向けた機運を一緒に形作っていく想いや覚悟のある人材の採用を進めてまいる。

今回は東京以外にお住みの、リモートの方も採用させていただいた。兵庫県在住の方」(4月6日)

・(デジタル庁先行採用エンジニアと)顔合わせした印象

「デジタル化の遅れている日本の中で、100年に1回の大変革の時という認識は皆さん共通だった。

マネジメント自体が新たなチャレンジになる(情報共有のあり方、縦割りを文化を壊すこと)組織なので、次の管理職採用に関しても、組織文化をどう作っていくかに関して共感して頂けるような方々と十分に意見交換しながら採用を決めていきたい。

テクノロジーに対してある程度以上のその造詣があることが必要。エンジニアの言葉が理解できないような人だとなかなか厳しいだろう」(4月9日)

・デジタル庁の組織文化形成に向けて

「アジャイル的な考え方というと、システム開発だけではなく、デジタル庁の場合はその組織自身もアジャイル的な対応をしないと、最初から全ての形をかっちり決めて行ってしまうとたぶんいろんな問題にぶつかった時に対応できなくなってしまうと思う。

やりたいことがきっちり明確になった上で、柔軟に対応していくということだ。

組織文化にもそのような柔軟性を持たせたい」 (4月23日)

・民間人材公募第2弾 4月27日〜5月10日

「第2弾の民間人採用の公募を開始した。

今回の募集ではデジタル庁が今後担っていく各個別分野において、重要な役割を担う方々を募集する。

全体で40名程度採用する予定で、非常勤の国家公務員として採用されることになる。

応募は5月10日まで。

第3弾の募集は6月頃を想定しており、幹部クラスの常勤職員や、デジタル庁で必要となる非常勤職員を順次募集していくことになる。

詳細はホームページを見ていただけたらと思うが、今回は、エンジニアリングと UI・UX、 セキュリティ、広報・マーケティング等々の職種である」(4月27日)

参考:(採用情報)デジタル庁創設に向けた準備サイト
https://www.digital.go.jp/

(2)令和4年以降、国家公務員総合職にデジタル区分を新設

「国家公務員採用試験について、令和4年度以降の実施に向けて、総合職試験に新たな区分『デジタル』を設ける。

今般の新型コロナウイルス感染症対策などでも明らかになった行政のデジタル化の遅れに迅速に対処し、データの蓄積・共有・分析に基づき、不断に行政サービスの質の向上を図るためには、デジタル庁を含めた政府部門において、行政官としてデジタル改革を牽引していく人材を確保することは必須である。

今回新たな試験区分が設けられることで、行政官にも専門的素養を持ったデジタル人材を確保することが可能となる。

今、法案審議中だが、デジタル庁においては行政官と民間出身双方のデジタル人材が連携して業務を進め、国民の皆さんに目に見える形で成果を実感していただくということが重要だ。

各省においても積極的にデジタル人材の採用を行っていただき、霞ヶ関に初めてデジタルのキャリアパスができればいいなと思う」(4月27日)

(3)デジタル改革共創プラットフォーム正式版 運用開始

「デジタル改革共創プラットフォームの正式版を運用開始した。これまではβ版だった。

全国の自治体職員と現場のデジタル改革について意見交換するためのもの。

意見や改善案を投稿してもらいたい」(4月20日)

参考:インターネット・LGWANから利用可能な「デジタル改革共創プラットフォーム(正式版)」をオープンしました!|政府CIOポータル
https://cio.go.jp/node/2761

(4)「子育て世帯給付金」マイナンバーカードを活用した受け取りに向けて

「『子育て世帯給付金』の受け取りについて。

 国会審議中の公金受取口座登録法案が成立すれば、マイナンバーを利用した管理や課税情報の確認が可能になる。(『子育て世帯給付金』は)おそらくこの制度の第一号の指定になる。

新型コロナの特別定額給付金にしても、その他のいろいろな給付金にしても、コロナ禍で迅速に国民のニーズに応えられなかった。

(今回の『子育て世帯給付金』は)児童手当の口座に振り込むので、改めて口座を聞く必要がないのでものすごくスピードアップできると思う。

マイナポータルに公金受け取り口座を登録してもらえば、申請なしでも公金を給付できるという間今まで日本の行政ではなかったことが可能になる。

社会が一つバージョンアップする象徴的な話だ」(4月23日)

(5)商業登記電子証明書の改善に向けて

「商業登記電子証明書の改善について。

商業登記電子証明書のクラウド化を含めた改善については、さらなる料金の低廉化や引き下げ、利便性の向上にもつながりえるため今後検討を加速する。

今年度中に検討するとともに、早期実現できるよう次期成長戦略に位置付けたいと考えている」(4月6日)

(6)在留申請手続きのオンライン化に向けて

「在留外国人本人による在留関係手続きのオンライン化について。

将来の在留カードとマイナンバーカードの一体化も踏まえ、在留カードによる申請ではなく、民間のオンラインサービスに提供するマイナポータル API を活用するなど、マイナンバーカードによる申請について令和3年度中の実現を目指す」(4月6日)

参考:平井大臣記者会見|政府インターネットテレビ
平井大臣記者会見(令和3年4月27日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg22612.html?nt=1
平井大臣記者会見(令和3年4月23日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg22586.html?nt=1
平井大臣記者会見(令和3年4月13日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg22521.html?nt=1

3.「霞が関のFAX全廃に向けて」河野規制改革相

(1)霞が関のFAX文化はテレワーク阻害要因

「霞が関におけるFAXは、テレワークの阻害要因になっている。

メールでやり取りができる時代なので、あえて FAXを続ける意味はないのではないか。

メールに切り替えれば、少なくとも FAXが原因でテレワークができないという部分はなくなる。

業務の中で FAX が使われている割合の高い業務がいくつかあるので、テレワークするためにも、FAX を止めるということを霞ヶ関も真剣に考えていかなければならない」(4月13日)

(2)霞ヶ関では99.2%の押印義務を廃止済

「昨年9月、規制改革推進室から各府省に対して押印の見直しの検討状況の調査を行った。

その後、内閣官房IT総合戦略室と連携し、行政手続きの棚卸調査の一環で各省庁の見直しをお願いをしており、その結果をとりまとめた。 

99.2%は押印義務を廃止、令和3年3月31日をもって政省令の改正など必要な措置を完了した。

残りについては今後速やかに廃止する予定。その中にはデジタル整備法案での改正事項も含まれている。

存続させる押印手続きは全体の0.8%。いずれも印鑑登録したものあるいは登記・登録印・銀行への届出印ということで、認印はない」(4月6日)

(3)平井大臣、上川法務大臣と「2+1」実施 さまざまな電子化対応について今後前向きに検討することで合意

「4月2日、平井大臣と上川法務大臣を招き「2+1(ツープラスワン)」を実施。

 今後の取り組みについて合意をした。

・現在公証人の面前で行うことが求められている電子署名についてオンライン化
・貿易の手続きについて、書面交付を義務付けている船荷証券と倉荷証券の電子化

このために金融機関がテレワーク中も出勤を強いられる、ことが多数あったようだ

・在留申請のオンラインシステムの改善
・司法書士などによる戸籍謄本の職務上請求に関する手続きの改善
・商業登記・不動産登記のシステムに関して、使い勝手の改善、それから、民間連携を前提とした開発、API 連携などについての対応
・技術の進展に伴うセキュリティ上の新たな課題に対応する、継受法の整備
・デジタル地図の整備

 例えば農水省が農地などのシステムを今整備をしているが、地図情報の提供がしっかりなされないというようなことがあるため、その改善

・領収書の電子化に関する改正民法の Q & A の作成
(4月6日)

参考:河野大臣記者会見|政府インターネットテレビ
河野大臣記者会見(令和3年4月13日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg22518.html?nt=1

河野大臣記者会見(令和3年4月6日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg22478.html?nt=1


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