「36協定届」「就業規則の届出」を例に、電子申請の詳しい手順を理解しよう

日々の業務の中で、「36協定届」「就業規則の届出」など、「労働基準法等の届出等」で最寄りの労働基準監督所へ足を運んだことがあるビジネスパーソンもいることでしょう。

実はこの「労働基準法等の届出等」は、現在、インターネット経由での「電子申請」に対応しています。つまり、窓口にわざわざ足を運ぶことなく届出手続きができるようになっているのです。

そこで今回の記事では「36協定届」「就業規則の届出」を事例に挙げながら、「電子申請」の詳しい手順について解説します。

1.5つの事前準備を押さえよう

まず、「電子申請」を行うための事前準備として、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

(1)パソコンとブラウザの推奨環境を確認する

「労働基準法等の届出等」の電子申請は、日本政府による「e-Gov電子申請システム」を利用します。

インターネット環境と、推奨環境に対応したパソコンが必要です。

①Windows 10(32bit、64bit)

・CPU 1GHz以上
・搭載メモリ 2GB以上
・ブラウザ InternetExplorer11/Edge 41 以降/Firefox 59 以降/Chrome 66 以降

②Windows 8.1(32bit、64bit) (「デスクトップモード」で起動した場合に限ります)

・CPU 1GHz以上
・搭載メモリ 2GB以上
・ブラウザ InternetExplorer11/Firefox 59 以降/Chrome 66 以降

③Windows 7(32bit、64bit)

・CPU 1GHz以上
・搭載メモリ 2GB以上
・ブラウザ InternetExplorer11/Firefox 59 以降/Chrome 66 以降

(2)電子証明書を取得する

電子証明書は「ICカード形式」と「ファイル形式」の2種類があります。

①ICカード形式

公的個人認証サービス(マイナンバーカード等)を活用できます。ICカードリーダライタ(マイナンバーカード等を読み込む機器)を用意し、お手持ちのマイナンバーカード等を読み込ませて電子署名を行います。また、民間の認証局からの取得も可能です。

②ファイル形式

法務省の「商業登記に基づく電子認証」を活用できます。

(3)ブラウザのポップアップブロックを解除する

ブラウザにポップアップブロックが設定されている場合は、事前に解除しておきましょう。ポップアップブロック設定が有効になっている場合、e-Gov電子申請システムの申請ボタン等を押下しても画面が切り替わらない等の動作エラーが発生することがあります。

(4)「信頼済みのサイト」に登録する

「e-Gov電子申請システム」のサイトを、「信頼済みのサイト」に登録しておきましょう。

(5)電子申請用プログラムのインストール

専用の電子申請用プログラムをインストールします。無料で利用できます。

▼インストールはこちらから
https://www.e-gov.go.jp/help/shinsei/flow/setup03/index.html

参考:e-Gov電子申請システムご利用の流れ|e-Gov
https://www.e-gov.go.jp/help/shinsei/flow/index.html

2.手続きの流れの概要を理解しよう

申請のための事前準備が済んだら、大枠では以下のようなフローで手続きを進めていきます。

StepTodo概要
e-Gov電子申請システムにて手続検索e-Gov電子申請システムの手続検索より、キーワードや所管府省を指定して行政手続を検索します。
申請書の作成・送信【申請書入力】選択した行政手続の申請書入力フォームに必要な事項を入力し、書類等を添付します。
【署名・送信】電子署名が必要とされている手続の場合、あらかじめ取得済みの電子証明書を利用して電子署名を行い、申請書を送信します。
【到達確認】送信された申請書は、形式チェック、証明書の有効性検証等を行った後、エラーが見つからない場合に到達番号と問合せ番号を発行します。到達した申請書は、手続所管府省に転送されます。
手数料の納付手数料等の納付を必要とする手続の場合、手数料等の納付を行います。
※e-Govは複数の府省の手続に対応しているため、手数料発生の有無は手続により異なります。
Pay-Easy対応の金融機関の場合、ATMやインターネットバンキングから電子納付をすることもできます。
手数料等の払い込み後、選択した行政手続を所管している府省で、当該手数料の領収確認を行います。領収確認後、納付済みであることがe-Govに通知されます。
なお、手数料等の領収を確認できるまで、申請書等の審査が保留されることがあります。
申請・届出の状況確認【申請書審査等】行政手続を所管する府省では、申請者が提出した申請書について必要な審査を行います。申請書の記入内容に誤り等がある場合には、e-Govの状況確認を通じて申請者に対して申請書の訂正依頼が届きます。
【申請・届出の状況確認】到達確認時に発行される到達番号と問合せ番号により、行った申請・届出の処理状況を確認できます。提出した申請書について訂正等の必要がある場合には、手続の所管府省が発する補正の求め等の内容を確認し、これに従って申請書を訂正します。
【公文書取得】行政手続の所管府省により公文書が発出された場合、申請者はe-Govの状況確認から当該公文書を取得することができます。公文書に官職証明書による電子署名が付けられている場合、この官職証明書が有効なものであるかどうか確認することができます。

参考:申請届出の流れ|e-Gov
https://www.e-gov.go.jp/help/shinsei/flow/notice01/index.html

3.具体例で詳しい申請手順を理解しよう

(1)「36協定届」

①「e-Gov」で「36協定届」の入力フォームを検索する

e-Gov電子申請手続検索で「時間外」と検索します。

②申請書の作成

表示されるフォームに従って必要事項を入力していきます。

ここで、届出等を「ファイルに保存」をしておけば、次回作成する際に「ファイルから読込」をクリックすることで、一度作成したファイルを使用できます。

③電子署名の付与

「署名して次へ進む」をクリックした後、使用する「証明書」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。

④申請データの保存

使用しているパソコン内部の任意の場所を指定し「保存」ボタンをクリックします。

引き続き「続紙」や「特別条項」の入力が必要な場合には「引き続きこの手続の他の申請届出書を作成します。」を選択します。業務の種類が多い等のため、申請書1ページ分の枠では収まらない場合は続紙に入力が必要です。

「続紙」等の入力が不要な場合は「これまでに作成した申請届出書をe-Govに保管します。」を選択します。

⑤申請届出書預かり票の保存

申請届出書預かり票は、次ステップで申請・届出する際に必要となりますので、なくさないよう管理しましょう。

その後、「申請書送信」をクリックします。

⑥申請届出書預かり票の読込

前ステップで保存した「申請届出預かり票」の読み込みを行います。届出等を行う様式に間違いがないか確認して次へ進みます。

⑦基本情報入力

申請者の氏名、住所等の基本情報を入力します。この情報を保存しておけば、2回目以降に入力の手間を省くことができます。

⑧提出先の選択設定~添付書類選択

「大分類」及び「中分類」のプルダウンから提出先(所管の労働基準監督署)を選択します。

⑨到達確認

ここで「到達番号」と「問合せ番号」を取得しておくことで、申請後に「状況照会」を行うことが出来るようになります。

申請した届出等の状況を確認するために、「パーソナライズに登録」しましょう。パーソナライズすることにより、よく見る手続の情報を簡単に利用できるようになったり、申請案件の状況確認を行うことができます。

⑩状況照会

「状況照会」とは、申請・提出済みの手続について、事務処理状況の照会を行うことです。

また、審査等の終了後に提出先の機関から発行されたコメント通知の確認・取得や申請・届出の取下げなどを行うことができます。

前ステップで発行された 「到達番号」及び「問合せ番号」が必要です。

補正の指示等が出ている場合は、当該指示に従って対応してください。

(2)「就業規則の届出」

①「e-Gov」で「就業規則」の入力フォームを検索する

e-Gov電子申請手続検索で「就業規則」と検索します。

②フォームに従って届出書類を作成

「意見書」「事業場一覧」「(必要な場合、最大4枚まで)続紙」の作成もここで行います。

この後は、前述した「36協定届」と同じステップとなります。

参考:電子申請事前準備リーフレット|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192115.pdf

4.府省もDXが進んでいることを知り、業務に活用しよう

日本の府省への手続・届出もDX(デジタルトランスフォーメーション)が年々、進んでいます。

2020年9月に発足した新内閣では「デジタル庁の設置」も目玉政策として掲げており、今後、行政関連手続きのますますのDX化が期待されるところです。

ペーパーレス化、非対面化のメリットを日々の業務に取り入れ、効率化につなげていきましょう。

Digital Workstyle College 編集部
この記事を書いた人