【2020年】オンライン商標登録サービス4選を比較

商標登録の申請数は、10年前と比べて約2倍。審査までにかかる時間は平均で10~14ヶ月と長期化しています。商標登録をなるべくスムーズに済ませるためには、プロである弁理士に任せるのが一番ですが、気軽に頼むのを躊躇される方も多いのではないでしょうか。

良いネーミングやデザインがひらめいたときに、その度ごとに弁理士に依頼するのではなく、その場ですぐに先行商標調査をおこない、商標登録までをできる限りスピーディーに、かつリーズナブルに済ませたいと考える方におすすめなのが「オンライン商標登録サービス」です。

今回は、オンライン商標登録サービスの中から、人気のサービス4選をご紹介。商標の出願にお悩みの方は、ぜひご一読ください。

商標登録とは

商標がその効力をもつのは、特許庁に登録出願し、審査の結果、商標原簿に商標権の設定を登録されてからです。

商標権を得ることで、その商標を独占的に使用することができるようになります。

後から同じ商標を使用している人がいた場合、その商標の使用を差し止めたり、損害賠償請求をすることもできるようになるのです。

商標登録するためには、すでに同様のものが商標登録されていないかを調査した上で「商標登録願」を作成し、必要な提出物をそろえて特許庁に申請します。具体的な流れは以下のとおりです。

参考:特許庁Webサイト「初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~」をもとに作成
https://www.jpo.go.jp/system/basic/trademark/index.html#02 

商標登録については、特許事務所が対応することが多いですが、手続き自体は弁理士の独占業務となっていません。つまり自分個人でおこなうことも可能です。

しかし、商標登録は「先願主義」。ようは早い者勝ちです。

先にその名称やサービスを使用していても、実際の出願が後になってしまったら、その商標権を得ることはできません。

引用:特許庁 ステータスレポート2020
https://www.jpo.go.jp/resources/report/statusreport/2020/document/index/all.pdf

特許庁によると、2010年には約11万件だった商標出願件数は、右肩上がりで2019年には約19万件。ほぼ倍増しています。

引用:特許庁 ステータスレポート2020
https://www.jpo.go.jp/resources/report/statusreport/2020/document/index/all.pdf

しかし、出願したものが実際に登録できる数は、10万件前後で横ばい。つまり、商標登録は出願しても通すことが難しくなっているのです。

これは、海外への展開を見込んだ企業がブランドの育成・保護のためにおこなっているおのと同時に、商標の買取りや、ライセンス料を目的としておこなわれる、いわゆる「商標ビジネス」の横行により「自己の業務に係る商品又は役務について使用をするもの」という本来の商標法の趣旨にそぐわないものが、多く出願されているためです。

出願数の増加により、2020年7月現在、特許庁での審査にかかるまでの待ち期間は10~14ヶ月程度となっています。従来は8ヶ月程度で登録されていたものが、どんどん期間が延びている状況です。

参考:特許庁Webサイト 商標審査着手状況(審査未着手案件)
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html

審査に入ってすぐに承認されれば良いですが、個人で出願して、内容に不備があったりしたら、登録を拒絶されてしまうこともあります。

そうなると、拒絶理由通知への対応でさらに時間や手間を要するため、商標出願については、プロである弁理士の手を借りた方が絶対的に有利です。

しかし、ひとつの商品やサービスについて、名称・ロゴ・商品の形態やキャッチコピーなどの効果音(WAONの決済音などが有名)など、商標出願を必要とする手続きが多岐にわたるにつれ、全てを弁理士に依頼するとなると、今度は商標調査や出願にまつわる費用面においての負担が大きくなります。

そこで登場したのが「オンライン商標登録サービス」です。

オンライン商標登録サービスの基本的な機能

「オンライン商標登録サービス」は、面倒な商標登録を、できるだけ簡単・スピーディー、そしてなるべくリーズナブルにと考え出されたシステムです。

具体的には、商標登録にまつわる、以下のような機能が備わっています。

全てを自動化することは難しいため、AIや弁理士によるサポートなどが入るのが特徴的です。

(1)商標事前チェック・商標調査

出願しようとしている商標と同じものが、すでに登録されていないかという事前チェック機能が搭載されています。

商標検索自体は、特許庁プラットフォーム「J-PlatPat」にてサービスを提供していますが、オンライン商標登録サービスで提供されているものは完全一致ではないものなども対応してくれるなどプラスαの機能を設けているものもあります。

(2)商標調査

また、先行商標と類似の商標がないかどうかを事前に調査してくれる「商標調査」も出願前には欠かせません。

商標調査を適切におこなわないまま、商標登録をした場合、登録できても他の権利者から訴えられる可能性があります。

また、商標調査をすることによって、出願しようとしている商標の登録可能性がわかるので、無駄な出願をすることを防ぐことにつながるのです。

商標調査はAIを使ってシステム上でおこなう場合と、弁理士に依頼する場合と、システムやプランによって異なった対応を取っています。

(2)書類作成支援

特許庁に出願するために必要な書類作成を、システム上でオンラインで行なうことができます。

紙での出願の場合、申請・登録に必要な印紙の購入についても、システム上で決済が完了。郵便局からの書類発送も不要です。

(3)商標出願の進捗管理

出願しようとしている商標、出願後の商標の進捗をまとめて確認できます。特許庁に対する法定費用や応対の発生する出願・拒絶対応・登録のどの段階にあるのかを一元管理できる便利な機能です。

また、商標の期限切れに伴う更新管理も可能なシステムもあります。

(4)弁理士によるサポート

システム利用時に、何か困ったことがある場合、弁理士によるサポートが受けられる機能です。サポート範囲や対応方法については、システムやプランによって違いがあります。

次の項からは、実際のオンライン商標登録サービスを見ていきましょう。

オンライン商標登録サービス比較表

今回の記事では、以下の4つのサービスについて比較します。

・Toreru(トレル)
https://toreru.jp/
・Cotobox
https://cotobox.com/
・nomyne(ノミネ)
https://www.nomyne.com/
・すまるか
https://smarca.jp/home

オンライン商標登録サービスの機能が豊富にあっても、自社の使い方にあった機能があるかどうかで選ぶことが重要です。

そこで、オンライン商標登録サービスの機能について、それぞれのツールの比較表を作成しました。

Toreru(トレル)Cotoboxnomyne(ノミネ)すまるか
商標検索
(ネーミングのみ)
商標調査◯無料(Toreru で出願を申込予定に限り)
エコノミー:AIやチャット機能で対応
プレミアム:弁理士により対応
なし
AI+弁理士にて対応
出願書類作成支援◯プレミアムの場合は作成も弁理士が対応
弁理士が対応

特許庁への出願
弁理士が対応
進捗管理◯スマホからも確認可能
弁理士によるサポート◯プレミアムのみ弁理士によるコンサルティング◯LINEで対応
早期審査請求
オプション

オプション
要相談
オプション
拒絶理由通知等に対する応答
オプション軽微なものは無料でい対応

オプション
要相談
オプション
実績日清オイリオグループ株式会社など経済産業省など公表なし公表なし

※ここに示した機能はあくまで概要であり、それぞれのシステムのプランによって機能が異なる場合があります。
※価格やオプションの料金については、以下、それぞれのサービスにおける「プランと価格」をご確認ください。

Toreru(トレル)

画像:Toreru(トレル)サイトより (https://cocomite.konicaminolta.jp/

Toreru(トレル)の主な機能や特徴

特許業務法人Toreruが開発した商標登録サービス「Toreru(トレル)」。その名の通り、簡単に商標が取れることを目指しています。

商標に関する知識がない人でも、必要情報をフォームに沿って入力するだけで手続き書類を作ることができます。

また、主体が弁理士の所属する特許業務法人というだけあって、出願に関するオプションが豊富なのもポイント。

不安な人は、実際にオフィスに行って対面での面談(有料)も受け付けています。

Toreru(トレル)のプランと価格

基本料金プラン1区分:48,000円2区分:92,600円3区分:137,200円 (すべて印紙代込み総額)
10年登録分の費用の詳細は以下リンクから
https://support.toreru.jp/hc/ja/articles/115000842713
見積もり作成は以下リンクから
https://toreru.jp/home/price
オプション料金早期審査 20,000円
使用の意思確認 20,000円
意見書提出(反論) 50,000円 
更新申請 9,800円 など
備考・クレジットカード使用可
・出願・登録の都度払いの場合は、登録手数料は10,780円(税抜)/区分・海外法人の場合は別料金(https://support.toreru.jp/hc/ja/articles/360001887034

参考:Toreru(トレル)公式サイト 料金プラン (https://toreru.jp/home/price

Toreru(トレル)は、区分ごとにシンプルでわかりやすい料金体系が魅力です。サイトでは内訳も含めた料金を公開しています。

商標調査については無料で引き受けしてくれますし、拒絶理由通知を受けた場合、軽微なもの(指定商品・指定役務の削除など)は無料で対応も可能です。

Toreru(トレル)運営会社

運営会社特許業務法人Toreru
設立平成29年
住所〒158-0094 東京都世田谷区玉川3-4-3 GranDuo二子玉川201号室
従業員数10名

Cotobox

画像:Cotoboxサイトより (https://cotobox.com/

Cotoboxの主な機能や特徴

Cotoboxは「人と知財を結ぶ。」をミッションに掲げる株式会社Cotoboxの提供するサービス。AIを活用することで、商標登録にかかるコストを削減し、リーズナブルな料金で商標登録をおこなうことができるシステムです。

登録調査をAIが行い、オンラインで商標の入力をおこなうことで、提出用の出願書類を作成することができます。サポートについてはチャットで対応。

商標登録の他にも、競合の商標情報をリアルタイムで把握する「Cotobox商標モニタリング」を提供。同じ商標を使っている企業へ使用をやめさせたり、他社の商標に類似したものをうっかり使ってしまわないように、ブランドを保護するためのシステムです。

Cotoboxのプランと価格

基本料金プラン1区分:49,400円
2区分:95,400円
3区分:141,400円  (すべて印紙代込み総額)
エコノミープランと、弁理士のサポート付きのプレミアムプランがある(表示はエコノミープラン)
10年登録やプレミアムプランなど
問い合わせ・見積もりはこちらから
https://cotobox.com/app/contact
オプション料金・早期審査請求 30,000円
・拒絶理由通知の意見書と手続補正書の提出:30,000円など
備考・クレジットカード使用可

参考:Cotobox公式サイト 料金プラン (https://cotobox.com/plan/

Cotoboxでは、最低限の費用で出願できる「エコノミー」と弁理士の手厚いサポートが受けられる「プレミアム」の2つのプランを用意しているのが料金面での特徴です。

プレミアムプランでは、弁理士による商標調査、出願書類の作成、コンサルティングなど手厚いサポートが受けられます。

Cotobox 運営会社

運営会社cotobox株式会社
設立2016年2月
住所三田オフィス 〒108-0073東京都港区三田3-1-23
恵比寿オフィス(開発)〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-5 アルカサルB01
従業員数5名

nomyne(ノミネ)

画像:nomyne(ノミネ)サイトより (https://www.nomyne.com/

nomyne(ノミネ)の主な機能や特徴

nomyne(ノミネ)は、GMOグループのGMOブライツコンサルティング株式会社が運営する、ネーミングの商標登録専用に特化したシステム。

商号や店名、ブランド名などのネーミング候補が決まったら、専用検索エンジンでチェックすることにより、Googleなどでは見つけられない類似性の高いネーミングもピックアップしてくれます。

書類作成や出願については、弁理士に依頼するため、自分で作成する他のシステムとは異なり、あくまで、商標登録するネーミングを決めるための補助的機能と、提携弁理士への仲介により、商標を権利化するまでのサポートを提供するというサービスです。

権利化の後は、5年/10年後の商標の権利更新についても対応してくれます。

nomyne(ノミネ)のプランと価格

ネーミング検索プラン無料メンバーシップ:0円 30日内10件まで
有料メンバーシップ:1500円/月 
商標出願登録費用 [日本]1区分:62,200円(10年) 50,400円(5年)
2区分:121,000円(10年) 97,400円(5年)
3区分:179,800円(10年) 144,400円(5年)など
商標更新費用 [日本]1区分:49,800円(10年) 33,600円(5年)
2区分:99,600円(10年) 67,200円(5年)
3区分:149,400円(10年)100,800円(5年)など

参考:nomyne(ノミネ)公式サイト 料金プラン (https://www.nomyne.com/plan

nomyne(ノミネ)は、商標登録の可能性が高いかどうかを確認できるサブスクリプションの「ネーミング検索プラン」を用意。米国商標なども手軽にネーミング検索が可能です。

ネーミング検索プランは無料でも利用可能ですが、検索件数の制限が生じます。

ネーミングが決まったら、商標の出願に移り、出願費用はその都度支払です。

数多くの商標を登録したいユーザーに向け、サイトにて20区分の登録・更新費用をそれぞれ一括納付(10年)、分割納付(5年)の参考価格の料金プラン検索を行えるようにしています。(実際の金額は提携弁理士により変動があります)

nomyne(ノミネ)運営会社

運営会社GMOブライツコンサルティング株式会社
設立2004年(平成16年)1月7日
住所〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26番1号セルリアンタワー
従業員数75名

すまるか

画像:すまるかサイトより (https://smarca.jp/home

すまるかの主な機能や特徴

特許業務法人Smarcaが運営する「すまるか」。

すまるかの最も大きな特徴は「スマホフレンドリー」であること、スマホだけで商標調査の依頼、商標の出願から登録までを対応でき、さらに問い合わせをLINEで受付しています。

商標が登録できそうかどうかを調べる先行商標調査は無料で提供。文字列または図面のとどちらでも可能です。弁理士側の業務をAIを使って効率化することで、申請・登録にかかるコスト削減を実現しています。

商品・役務の選択から出願・拒絶対応ののち、商標登録後の他社との協業や競合との紛争対応まで、外資戦略コンサル出身の弁理士・米国弁護士を中心とするSmarca専門家チームがサポートします。

すまるかのプランと価格

基本プラン出願+登録(5年)1区分:24,000円+31,400円
2区分:44,600円+62,800円
3区分以上:65,200円~+94,200円~
お問い合わせはこちらからhttps://smarca.jp/contact
オプション早期審査請求:20,000円
拒絶理由通知等に対する応答:20,000~90,000円
自発補正書提出・その他の届出書提出:10,000円
備考・先行商標調査無料
・クレジットカード支払のみ

参考:すまるかサイト料金プラン (https://smarca.jp/home/pricing

すまるかは、1区分の出願手数料12,000円とうたっていますが、それはあくまで出願時のみで、登録時にそれぞれ料金を分けて支払う仕組みとなっています。

内訳は料金プランのページでご確認ください。

すまるか運営会社

運営会社特許業務法人Smarca
設立2019年4月1日
住所〒154-0024東京都世田谷区三軒茶屋2丁目25-5アーク1階
従業員数

まとめ

特許事務所・弁理士に依頼するのが一般的であった商標登録。

それをワンストップでおこなうことができるようにシステム化したのが、「オンライン商標登録サービス」です。

商標は一度登録したら5年・10年と権利が続きますので、「オンライン商標登録サービス」は、商標の登録時だけでなく、商標管理・更新を考えると、長い期間使用するシステムになるかもしれません。

これからオンライン商標登録サービスを導入しようと考えている場合は、価格だけでなく、使い勝手やサービス・サポート面も含めて検討しましょう。

Digital Workstyle College 編集部
この記事を書いた人