総務省、令和2年「情報通信に関する現状報告」(令和2年版情報通信白書)を公表

総務省は、2020年8月4日、情報通信の現況及び情報通信政策の動向について国民の理解を得ることを目的とした令和2年「情報通信に関する現状報告」(令和2年版情報通信白書)を公表。

「令和2年版情報通信白書の概要」より

今回の白書の特集のテーマは「、5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」。
新型コロナウイルス感染症の流行を契機として進みつつあるICTによる新たな生活様式や働き方、オンラインを前提とした企業活動や分散型社会を展望するほか、5Gの登場で移動通信システムが通信基盤から生活基盤、更には産業・社会基盤へと進化する中、様々な産業・分野に及ぼす影響について分析をしている。

テレワークの導入をはじめとしてICTによる対面によらない生活様式への取り組みが一気に拡大をしている。一方で、ICT活用によるトラフィックの増加、セキュリティリスクへの対応不足、電子契約等の業務内容の見直しの必要性など、オンラインを前提とした企業活動へ移行するにあたっての課題があると指摘。

第二節では「企業におけるクラウドサービスの利用動向」について「通信利用動向調査」を用いて解説されている。

企業におけるクラウドサービスの利用している企業は64.7%であり、前年の58.7%から6.0ポイント上昇。

利用しているサービスの内容については「ファイル保管・データ共有」の割合が56.0%と最
も高く、次いで「電子メール」(48.0%)、「社内情報共有・ポータル」(43.0%)となっている。取引先との情報共有や購買など、企業間取引に関するサービスの利用は低水準であった。

クラウドサービスを利用している理由としては、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」(45.9%)が最も多く、次いで「場所、機器を選ばずに利用できるから」(43.3%)、「安定運用、可用性が高くなるから」(36.8%)、災害時のバックアップとして利用できるから(32.6%)が多く、働き方の変化やBCPへの対応の観点から利用されていることがわかる。

一方、クラウドサービスを利用していない理由は、「必要がない」(45.7%)が最も多く、次いで「情報漏洩などセキュリティに不安がある」(31.8%)、「メリットが分からない、判断できない」(17.8%)が多かった。
クラウドサービス対する正しい理解が得られていない、また活用イメージが湧かず利用できていないという現状も明らかに。

情報通信白書では、500ページにあたって日本におけるデジタル化の現状や他国との比較、また5Gが当たり前になった社会に向けての日本の取り組みなど解説されている。

参考:令和2年「情報通信に関する現状報告」(令和2年版情報通信白書)の公表
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000149.html

参考:通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html

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