「バーチャル株主総会」日本での開催事例まとめ

(2020年7月20日14時48分修正)

昨今「リモートワークの推進」「会議のオンライン化」「ペーパーレス化、脱はんこ」など、会社の様々な場面でデジタル化が急速に進んでいます。

これらは、「withコロナ時代における非対面での働き方」という観点から、そして国が推進する「働き方改革」という観点からも必要不可欠な要素であり、直近では、「株主総会のオンライン化」の動きも見られます。

そこで今回の記事では、今年実際にオンラインでの株主総会を開催した企業の事例をご紹介します。

「来期は、定期株主総会もオンライン化したい」「バーチャル株主総会を実施したい」という構想を持っている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。

参考記事:バーチャル株主総会とは?そのメリットや、導入の留意点を解説
https://digitalworkstylecollege.jp/explanation/virtual-shareholders-meeting/

1.SBテクノロジー、株主総会をMicrosoft Teamsによるライブ配信で実施

ソフトバンクグループの「SBテクノロジー」は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年6月26日、定時株主総会をライブ配信で誰もが「傍聴」できるように公開しました。

ツールは、マイクロソフトのweb会議サービス「Microsoft Teams」を使用し、議長含め、役員全員がオンライン参加という形式を取りました。

事前にプレスリリースで会議URLを公開し、事前の接続テスト・質問、マニュアルなども併せて掲載。

株主総会会場での決議参加や質問への代替措置として、書面またはインターネットによる「事前議決権行使」と、事前に「質問」「意見」を受け付ける措置を取りました。

SBテクノロジーでは、決算説明会もMicrosoft Teamsを使ったライブ配信で実施しています。こちらには、60名以上の機関投資家、アナリスト、報道関係者らが参加しました。

株主総会のライブ配信はあくまで「傍聴」という形ではありますが、事前にインターネット上にURLを公開し、誰もが傍聴できる、としたことで株主総会の透明性のアピールに寄与したと考えられます。

参考:SBT、株主総会を Microsoft Teams によるライブ配信で実施|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000007357.html

2.アドウェイズ、「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」をZoomで開催

Web広告代理店の株式会社アドウェイズは、2020年6月23日に定時株主総会を「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」の形式で開催。

ビデオ会議ツール「Zoom」を使用し、株主らがインターネットを通じオンラインで株主総会に「出席」できるようにしました。実際に会場で行われる株主総会に出席している株主と同様に、リアルタイムでの「議決権の行使」や「質問」などを行うことができる、というものです。

参考:ハイブリッド出席型バーチャル株主総会開催のお知らせ|PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000033008.html

3.グローバルウェイ、株主総会をリアルとZoomで同時開催

IT企業株式会社グローバルウェイは、2020年6月19日開催の定時株主総会を「リアル」と「オンライン」で同時開催しました。

こちらもビデオ会議ツール「Zoom」を使用し、株主らには事前に、新型コロナウイルス感染防止のためにできる限り、書面による事前議決権の行使、そして「Zoom」での中継への参加を呼びかけました。

こちらは、開催日以前にあらかじめ、書面による事前議決権の行使を呼びかけていたことから、「Zoom」による中継は「出席」ではなく「傍聴(参加)」だったと考えられます。

参考:新型コロナウィルス感染状況を鑑み、定時株主総会をオンラインでも実施致します|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000357.000018764.html

4.パイプドHD、グループ会社開発システムでバーチャル株主総会を実施

パイプドHD株式会社は2020年5月27日に「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を実施しました。

ツールは、グループ会社の株式会社パイプドビッツが開発を手掛けたシステム「バーチャル株主総会ソリューション」を導入。これは、株主が会場に来場しなくても、インターネットを用いてどこからでも株主総会にリアルタイムでバーチャル「出席」できるシステムソリューションです。

また、「バーチャル株主総会ソリューション」の開発を手掛けた事業者として、パイプドビッツは6月10日に「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会開催報告会」も企画しました。今後、バーチャル株主総会を導入したい企業向けに、課題や展望を学ぶことができるセミナーを実施したとのことです。

参考:「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会開催報告会」をオンラインで実施|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000056349.html

5.サイボウズ、株主総会をYouTubeでライブ配信 一般公開しSNSでも話題に

ソフトウェア開発会社のサイボウズ株式会社は、2020年3月29日に開催した定時株主総会をYouTubeでライブ配信しました。

リアルの会場も設け、なおかつライブ配信を誰でも傍聴できる「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」だったと考えられます。

役員もリモート参加し、当日は降雪もあったということで、リアル会場への来場株主は4名のみ。

一方、YouTubeライブ配信側の最大同時接続数は500名に上ったそうです。

株主にはあらかじめ、「議決権行使」ならびに当日のライブ配信の視聴を案内。

そして、株主だけでなく一般ユーザーもライブ配信を視聴できるように開放し、専用フォームでの質問受付も実施したことで、SNSでも話題になりました。

サイボウズ株式会社は、2020年4月に「フルリモート入社式」を実施したり、IT展示会出展の代わりにオンラインで製品紹介イベントを行うなど、対面の機会を非対面に切り替えるデジタルトランスフォーメーションをさまざまな場面で巧みに導入しています。

株主総会も、株主のみならず一般ユーザーまでも含め、誰もが傍聴できるよう公開することで、うまく会社のPRにつなげたり、ファン醸成に寄与しているとも言えます。

参考:入社式、株主総会、製品イベント・・・オンライン配信で開催したサイボウズイベント |PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000027677.html

6.ビーマップ、自社開発システムで「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を実施

インフラ構築を手掛ける株式会社ビーマップは、2020年6月26日に「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を開催しました。

リアル会場である本社大会議室から、インターネット経由でライブ映像の配信を行い、遠隔地に居る株主が出席。

そして、自社で開発を手掛けた議決権行使システムを採用し、バーチャル参加の株主も「質問」「議決権行使」ができる「出席型」の形で議事進行を行いました。

同社では、このバーチャル株主総会のシステムを他の上場企業に無償提供するとともに、映像制作・配信のサポートを提供できる、問い合わせも受け付けている、とプレスリリースで発表しています。

参考:第22期定時株主総会を「インターネット出席型」で実施しました|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000018483.html

7.プロパティエージェント、「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」に加え「株主との対話の会」を開催

不動産開発を手掛けるプロパティエージェント株式会社は、2020年6月25日にインターネットで傍聴できる「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」、そして「株主様との対話の会」を開催しました。

リアル会場に来場した株主が参加したことに加え、株主向けの専用Webサイト経由で動画配信を実施。

株主総会は「参加型」なのでバーチャル参加株主はあくまで「傍聴」のみですが、続いて行われた「株主様との対話の会」で、会社代表からの事業説明や質疑応答の時間を設け、株主との対話の時間を深めました。

参考:「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」 「株主様との対話の会」実施のご報告|@Press
https://www.atpress.ne.jp/news/217167

8.バーチャル株主総会をめぐる海外動向

「バーチャル株主総会」をめぐる動向は、日本では近年、経済産業省を中心に議論が開始され、本年のコロナ禍を受け、ようやく開催事例がいくつか見られるようになってきたところです。

一方アメリカでは、2000年にデラウェア州が「バーチャルオンリー型」の株主総会を認める立法をして以降、多くの州の会社法で「バーチャルオンリー型株主総会」の開催が認められるようになりました。開催状況を見ると近年、「ハイブリッド型」は減少し、「バーチャルオンリー型」での開催が増加している傾向にあります。

この「バーチャルオンリー型」はアメリカのみならず、イギリスでも許容されているほか、カナダやニュージーランドでも採用されています。

日本で見られる「ハイブリッド型バーチャル株主総会」については、ドイツをはじめ多くの国で認められています。

参考:バーチャル株主総会をめぐる海外動向|経済産業省 https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/shin_sokai_process/pdf/002_s03_00.pdf

まとめ

コロナ禍、そして働き方改革が提唱される中で日本国内でもにわかに注目が集まる「バーチャル株主総会」。

今回の記事では、直近の国内での開催事例を、具体的なスキームとともにいくつか紹介しました。

開催実績を持つ企業の中には、バーチャル株主総会の会議システムそのものを提供しているベンダーも存在しています。

今後、自社の株主総会をバーチャル型に移行したいと考えている企業担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

Digital Workstyle College 編集部
この記事を書いた人