DX・デジタル化関連 大臣発言まとめ(2021年1月4日)

国の「デジタル化」推進に向けた、総理および各大臣の発言まとめをお伝えします。

1.「デジタルは我が国の新たな成長の源泉」首相 年頭所感

菅総理は2021年1月1日に年頭所感を発表し、ポストコロナの新しい社会づくりに向けて考えを示しました。

「菅内閣は、国民の皆様の命と暮らしを守り抜くことを固くお誓いし、感染拡大防止と経済回復に、引き続き総力を挙げて取り組んでまいる。皆様と共に、この未曾有の国難を乗り越え、ポストコロナの新しい社会をつくり上げてまいる」

その上で、デジタル改革を新たな成長の柱に据える考えを改めて表明しました。

我が国の新たな成長の源泉となるのは、「グリーン」と「デジタル」だ。イノベーションを目指す大胆な投資を率先して支援し、全ての政策資源を集中し、あらゆる改革を断行することで、経済社会を大きく変革し、次なる時代をリードしていく。

コロナを機に地方への関心が一層高まる中、デジタル化を進めつつ、地方への人の流れを生み出す。農業改革や観光政策などを通じて、我が国の消費の多くを占める地方の経済を活性化させ、日本全体を元気にしてまいる」(1月1日)

参考;令和3年1月1日 菅内閣総理大臣 令和3年 年頭所感|首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0101nentou.html

2.「入国者追跡システムを開発中」「デジタル庁設立に向けて法案審議など本格化へ」平井デジタル改革担当相

(1)入国者追跡システムを開発中、利用義務付けの意向 

平井デジタル改革担当相は2020年12月27日にテレビ出演を行いました。

その中で、新型コロナウイルス感染症対策として、海外から入国した人の移動をスマートフォンのGPS機能で追跡するシステムを開発しており、2021年夏の東京オリンピック・パラリンピックまでに完成させる旨を明らかにしました。

「使ってもらわないと入国させないというところまでやらないと効果がない」と述べ、入国者には利用を義務付ける意向を示しました。

なお、厚生労働省が国内向けに提供している接触確認アプリ「COCOA(ココア)」とは別物になるとのことです。(12月27日)

参考:入国者追跡システムを開発、義務化意向 平井デジタル相|産経ニュース
https://www.sankei.com/life/news/201227/lif2012270021-n1.html

(2)「デジタル庁設立に向けて法案審議など本格化」Twitter動画で年頭挨拶

平井デジタル改革担当相は2021年1月1日、Twitter上へ年頭挨拶の動画を掲載。1月の国会招集とともに、デジタル庁設立に向けた法案審議が本格化することに触れました。

「昨年9月16日に大臣に就任して以降、全速力で、今年立ち上げるデジタル庁のための準備をしてきた。

今年は国会が始まると、法案の審議がある。

そして同時に、デジタル庁のスタッフの皆さんも集めなければならない。

まだまだ準備には沢山のことをやらなければならないが、これから9月1日の創立に向けて全力疾走で頑張り抜きたいと思う。

世の中の人にデジタル庁の存在を知ってもらい、そして仕事の内容も知ってもらった上で 期待してもらう。

そしてデジタルが国民を幸せにできるんだということを皆さんに実感してもらいたい」(1月1日)

参考:平井卓也(ひらいたくや)|Twitter

3.「官民連携でデジタル化を」「政府のZoom利用について」河野行革相

(1)「官民連携でデジタル化を進め、シンガポールに追いつく」同国視察訪問

河野行革相は2020年12月27日から、シンガポール政府の招きにより同国を訪問。

シンガポールは国家プロジェクトとしてデジタル化を推進しており、デジタル先進国とも言えます。そこで「デジタル庁」の視察や、同国副首相・外相兼IT担当相らと会談を実施しました。

滞在中、ビデオ会議システム「Zoom」を通して記者会見を行い、考えを述べました。

「シンガポールでは、行政のデジタル化が多岐にわたって進んでおり、政府のポータルサイトを民間に提供することで、さまざまなビジネスに活用される役割を果たしている。

日本でも行政と民間が一緒になって、便利なサービスを提供していかなければならない。

国民の利便性を高めるためにも、行政と民間が連携してデジタル化を推進していく必要がある。

デジタル化先進国の同国と比べ、日本は遅れている。

紙やファクスに依存する日本はまだまだだ。早く追いつく必要がある」(12月28日)

参考:河野氏「日本は紙に依存」 デジタル化推進に意欲|産経ニュース 
https://www.sankei.com/politics/news/201229/plt2012290009-n1.html

河野規制改革相 シンガポール訪問 “官民連携でデジタル化を”|NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201228/k10012789021000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_004

(2)「システムの脆弱性を理解して使い分けている」政府のZoom使用について

河野行革相は2021年1月1日に自身のブログを更新。

ビデオ会議システム「Zoom」をWeb記者会見、政府会議などに使用する際の脆弱性リスクに対し、国民からさまざまな意見が寄せられる中、大臣としての見解を示しました。

さまざまな団体や大学、NPOが主催する公開フォーラムの多くがZoomで行われています。その場合、参加者はリスクを知った上で、参加し、発言します。

使っているシステムの脆弱性を理解して、発言しなければならないのは、オンライン会議だけではありません。2カ国や3カ国の外相電話会談や防衛相電話会談などを行う場合も、その際のシステムの脆弱性に応じて話せる内容が変わってきます。

機微な内容を話す時は、それに応じたシステムを選びます。必要なシステムが使えない時は、機微な話はできません。非常に機密な話をする場合は、対面でやります。

メールも同じです。非常に機密なメッセージを送る時は、人を送ります。

政府も機密性と利便性に応じてシステムを使い分けます。防衛省内のオンライン会議ではZoomは使いません。オンライン会議がZoomで行われる時は、省外の場所で、防衛省以外のパソコンを使って行います。

政府内のオンライン会議は、機密性と利便性に応じてシステムを使い分けます。一般に公開される会議や議事録が公開されるような会議は利便性を考えてZoomを使うことがあるでしょうし、そうでない会議はWebex等のシステムが使われます。

要するに、システムの脆弱性を理解して、それに応じて使い分けるということを、政府も企業も、多くの人もやっています。

政府や企業の多くは、それを明文化したルールを作成して、運用しています。どこの国でも同じです。ということを理解していれば、単純に「Zoomを使ったら情報が漏れる」「Zoomを使ってけしからん」などということはないはずです。

ZOOM Zoom zoom|衆議院議員 河野太郎公式サイト
https://www.taro.org/2021/01/zoom-zoom-zoom.php

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