国の「デジタル化」推進に向けた、総理および各大臣の発言まとめをお伝えします。
菅総理は12月19日、「日本アカデメイア」交流会で内閣総理大臣としてスピーチを行い、
以下のように述べました。
「大きな改革が、デジタル化だ。コロナを機に、行政サービスのデジタル化の遅れが明らかになった。
給付金の支給スピードが遅い、テレワークができない、判子をもらうために、会社に出社しなければならない。こうした声を大きく聞いた。
これらの、コロナ禍で浮かび上がった問題を解決すべく、改革を強力に進める司令塔として、デジタル庁を設立する。来年秋の始動を目指し、現在急ピッチで作業を進めている。
デジタル庁は、首相直属の組織とし、情報システム関係の予算を一元的に所管させ、各省庁に対し、勧告、是正ができる強い権限を持たせる。御高齢の方々などデジタル機器の利用に慣れていない方を念頭に置いた対応もしっかり行っていく。
組織の要は人であり、民間から100人規模の高度な専門人材を迎え、官民を行き来しながら、キャリアアップできるモデルを作る。
デジタル化のカギであるマイナンバーについても、デジタル庁の下で、企画、運営していく。カードと保険証の一体化を、来年3月からスタートする。そして、令和6年度までに、運転免許証との一体化も行う。
今回の経済対策で、これらを含めたデジタル関係で1兆円を超える規模を確保した。さらに、民間企業における抜本的なデジタル化を税制で広く後押しすることや、株主総会のオンライン化など、日本全体のデジタル化を一挙に進めてまいる。
デジタル化の基盤となる光ファイバーについて、この夏に手当てした500億円の補正予算によって、来年度中には、離島を含む、全国隅々まで整備する。全国的にテレワークの環境が整い、さらにはオンライン教育、オンライン診療の重要な基盤ともなると思う。
行政の申請などにおける押印は、テレワークの妨げになることから、99パーセント廃止する。署名、押印、対面規制についても、早急に見直しを進める」(12月19日)
参考:令和2年12月19日 日本アカデメイア 交流会 菅内閣総理大臣スピーチ|首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1219akademeia.html
続いて12月23日、会見で以下のように述べました。
「Beyond 5Gは2030年の我が国の社会産業基盤であり、今回の経済対策にも約500億円計上し、研究開発を加速し海外展開をしっかりできるように対応していきたい。
また、ポストコロナ時代において、我が国経済が再び成長して世界をリードしていくためには、デジタルを進めることをお約束してきた。
NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)等の機関や民間が総力を結集して研究開発を進めて、デジタル化にしっかり対応し、世界をリードしていける、そうした実感を得ることができたと思う」(12月23日)
参考:令和2年12月23日 国立研究開発法人情報通信研究機構視察等についての会見 | 首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1223kaiken.html
12月25日には記者団に対し、以下のように語りました。
「就任して100日が経った。
総裁選でお約束したように、まずは新型コロナウイルス対策に全力を尽くし、さらに我が国で長い間先送りされてきた課題、グリーン社会、デジタル化、少子化対策について答えを出し、皆さんに我が国の将来の絵姿を具体的に示すべく、全力で取り組んできた」
参考:令和2年12月25日 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見 | 首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/index.html
西村経済再生担当相は、令和3年予算概算閣議決定を受け、定例記者会見において以下のように述べました。
「令和3年度予算の概算閣議決定をした。次の成長の原動力となるグリーン社会の実現、デジタル化、これらを着実に対応する予算となっている」
具体的には「デジタル庁の創設、マイナンバーカードの普及のための市町村の事務の支援」という目的でデジタル関連の予算を確保したことにも触れました。(12月21日)
参考:西村大臣記者会見(令和2年12月21日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21872.html?t=177&a=1
12月25日には記者団に対し、就職氷河期世代に向けたオンライン企業説明会・マッチングの実施について次のように語りました。
「(12月25日に)近畿経産局主催で、オンラインの合同企業説明会ということで『FUKUIジョブマッチ』に41社が参加して行われた。
来年の2月6日には、中部経産局でウェブマッチングを開催予定としている。
▼就職氷河期世代人材確保支援事業|経済産業省 中部経済産業局
https://www.chubu.meti.go.jp/b32jinzai/jinzai_bank/hyogaki/index.html
こうしたオンラインでの様々な事業もこれから引き続き継続していきたい。様々なチャンスがあるよう、施策を充実させていきたい」(12月25日)
参考:西村大臣記者会見(令和2年12月25日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21911.html
河野行政改革担当相は、定例記者会見において以下のように述べました。
「(令和3年度の国家公務員の定員を)42年ぶりに政府全体で399人純増とした。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、国立関係感染症研究所の情報収集分析、保険所の研修機能強化など、関係機関の万全な体制整備を行うと共に、我が国のデジタル社会の形成に向けた新たな司令塔としてのデジタル庁を内閣に新設することとしている。
内閣の重要課題に確実に対応できる体制整備を行いながらコロナ対応についても十分な措置をすることができたのではないかと思う」(12月21日)
参考:河野大臣記者会見(令和2年12月21日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21866.html?t=182&a=1
「民間からではなく、府省内の手続きにおける書面・押印・対面の見直しについてまとまった。
法令などにより各府省に共通して適用される会計人事などの内部手続きのうち、令和2年4月1日時点で押印を求めているものが305手続きあった。
このうち押印を廃止、又は、本年度内に廃止予定というものが247の手続き 全体の81%である。
また書面を求めているもの566手続きあるが、オンライン化ができる、あるいはオンライン化可能となる予定のものが、そのうちの94% 530の手続きである
押印署名が存続となるものは、押印が43、書面が1ある。これらは契約書あるいは印鑑照合を行う必要がある手続きである。若干検討が続いている物が残っている」(12月25日)
「パスポートに旧姓を記載する時、これまでは旧姓で(海外において)活動している実績を示す書類提出を求めていた。
その書類提出を廃止する。
今までは戸籍謄本と、外国における旧姓での活動実績を確認する2つの書面を出せということになっていた。
(今後は)戸籍謄本については旧姓が記載されているマイナンバーカード、あるいは旧姓が併記された住民票などでも良いことになった。
外国での旧姓での活動実績を示す書類の提出は不要。
来年の4月1日に申請されるものからこのルールが適用される」(12月25日)
参考:河野大臣記者会見(令和2年12月25日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21905.html?t=182&a=1
平井デジタル改革担当大臣は、定例記者会見において以下のように述べました。
「(令和2年度)第3次補正予算では、『IT総合戦略室』として、国民にわかりやすく使いやすい UI・UX の件と、ガバメントクラウド等のデジタル化基盤整備推進事業、デジタル社会の形成に向けた広報体制整備事業などに必要となる経費として136億円。また番号制度担当室としてマイナンバー制度の普及に向けた周知広報に必要となる経費として2.7億円を計上した。加えて総務省が地方自治体のデジタル基盤改革に係る経費として新たに設置する基金として1509億円などを計上しており、今後この政策についても総務省と連携しながら進めてまいる。
次に令和3年度予算としては、まず8月末までの間『IT総合戦略室』として一括して予算を計上することとしている、各府省共通システムの整備等や、デジタル庁設立のための準備などの経費として2721.1億円。また番号制度担当室としてマイナンバー制度の推進などの経費として2.4億円を計上した。
そして9月以降のデジタル庁として UI・UXやベースレジストリーの整備に係る検討、デジタル庁に一括して計上する情報システム整備などの経費として368.1億円を計上している。
財務大臣と折衝を行い認められた81.3億円も令和3年9月以降のデジタル庁の予算に含まれている。
さらにデジタル庁の人件費については、各府省からの振替や新規増員により所用の定員を確保するとともに、非常勤の採用も含めて発足時の実人員は500人程度を想定している。
かねてからデジタル庁は小さく産んで大きく育てると申し上げてきたが、デジタル庁はこの予算をもとに船出することとなる」(12月21日)
「デジタルガバメント閣僚会議を実施した。 主な議題は4点。
まず、目指すべきデジタル社会の将来像や、 IT基本法の抜本的な改正、デジタル庁の考え方等についての政府方針となるデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針。
2点目は、デジタルガバメント実行計画の改定。
3点目は、わが国初の総合的なデータ戦略となるデータ戦略タスクフォース第1次とりまとめについて諮った。
4点目は、創設を検討しているデジタルの日について報告を行った。
本日の閣僚会議での了承等を踏まえ、月内にはデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針デジタルガバメントの実行計画を閣議決定し、また、デジタルの日について閣議で了解をいただく予定」(12月21日)
「デジタル庁の創設に向けて来年4月に採用する民間人材の募集を開始した。
先行プロジェクトの推進を行うエンジニア等、デジタル庁で民間人材採用の全体戦略を担うリクルーターを合わせて30名程度採用する予定。
デジタル庁の理念や価値観に共鳴し、デジタル庁の新しい組織文化や、デジタル改革推進に向けた機運を一緒に形作っていく思い・覚悟のある人材を確保したい。
なお、デジタル庁発足時には、デジタルの専門知識や経験が重要なプロジェクトや組織のマネジメントをする職務についても局長級・審議官級・課長級・などの管理職級以上の責任を有する立場で民間人に就いていただくことを予定している。これは別途4月以降に採用するということになる」(12月21日)
参考:平井大臣記者会見(令和2年12月21日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21869.html?t=184&a=1
「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針そしてデジタルガバメント実行計画の変更について閣議決定を行った。
デジタル庁の設立を記念し、2021年デジタルの日を実施する」(12月25日)
なお、「デジタルの日」は10月10日および10月11日となることが決定しています。
参考:デジタル庁創設記念―2021年デジタルの日発表イベント」を行いました!|内閣官房IT総合戦略室You Tube
「国民がデジタルに圧倒的な利便性を感じていただくためには、『マイナポータル』のUX(ユーザーエクスペリエンス)と UI(ユーザーインターフェイス)、つまり使い勝手を、徹底して見直す必要がある。
利用者が同じ情報の入力はしなくて良いようにする、利用者が迷わない導線にする、入力の手続きのステップ数を減らすなど、常に改良を続けようと考えている。
令和3年6月に、第1弾のリリースとして導線の最適化や、手続きの入力ステップの削減などを実施する。
さらに令和3年秋には第2弾のリリースとして、行政機関等にある自分の情報や申請履歴を用いて再入力をなくす対応を行うと考えている。
12月25日から1月15日まで『デジタル改革アイデアボックス』 に掲載し、広く国民の皆さんの意見を募集する。
利用者目線での忌憚なきご意見をお寄せ頂きたい」(12月25日)
参考:平井大臣記者会見(令和2年12月25日)|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg21909.html