国の「デジタル化」推進に向けた、各大臣の発言まとめをお伝えします。
菅総理は5月12日の記者会見で、次のように述べました。
「本日デジタル改革法案が成立し、長年の懸案だった我が国のデジタル化にとって大きな歩みになる。
9月1日のデジタル庁発足に向けて、しっかりと準備をしてまいりたい。
マイナンバーカードの普及率は4割である。保険証や免許証とも一体化を進め、誰もがデジタル化の恩恵を受けることのできる社会をつくっていきたい」
参考:令和3年5月12日 緊急事態宣言の延長等についての会見|首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0512kaiken.html
平井デジタル改革担当相は定例記者会見において、次のように述べました。
「今般のワクチン接種予約システムは自治体が個々にバラバラに取り組んでいる。
デジタル化の取り組みの一環として、今後整備される予定のガバメントクラウドを活用して、デジタル庁自らがシステム開発、全国で共通して必要となる機能を提供するという可能性もあると考えている。
こうした有事の対応も含めて一気通貫のサービスが提供できることもUXの観点から重要である」(5月11日)
「この法律により9月1日にデジタル庁が正式にスタートする。
デジタル庁の設置は規制改革のシンボル、成長戦略の柱だ。その中心にデータ戦略がある。
その司令塔としての機能を発揮して牽引していきたい。
また、マイナンバー法の改正により、感染症に対して新しいことをできるようにしたい。マイナポータルや金融機関窓口から口座登録ができるようになり、緊急時の給付金や児童手当など公金給付に利用でき、国民にとって申請手続きの簡素化・迅速化ができるようになる」
「(デジタル庁人材採用について)これまで実施してきた民間人材採用に加え、来年度の新卒国家公務員の説明会を実施する」(5月12日)
▼新卒採用|デジタル庁
https://www.digital.go.jp/recruit/newgraduates
「デジタル庁において、ブログサービス『note』の運用投稿を開始した。
デジタル社会形成10原則のオープン透明性を体現する手段の一つとして先行プロジェクトや法案の解説、担当者の想いなどについて発信することで、政策決定過程の透明化に貢献していきたい。
デジタル庁公式noteについては現在、この4月に入庁した民間出身のデザイナー人材が準備中であるデジタル庁の概要やnoteの開設主旨について投稿を行っている。
今後は私自身も投稿し、デジタル社会形成に関する大臣としての想いを自分の言葉で皆さんにお伝えしたい」
▼デジタル庁 note
https://note.digital.go.jp/
「縦割りではない、風通しの良いフラットな組織を作りたいと思っている。
今までの象徴的なポストである局長や課長は置かない。
代わりにプロジェクトごとに適材適所でメンバーを募って仕事を進めていく。
固定化された仕事を誰かが抱え込む組織にしないようにするために、常に組織運営について私自身も関わって、その点に留意していきたい。
スタートアップなので縦割りでやってしまうとまさにスタックしてしまう。そういうことのないようにしたい。
そして役人と民間から来られている方々との関係について、お互いに忌憚のない意見が交わせるようにしていきたい。
民間の皆さんが、モチベーションを維持できるかどうかは、仕事に対する評価も重要だ。
コンプライアンス委員会も設置する予定である。これはセキュリティの問題もあるが、組織として国民の信頼を得るために発足時から留意したい」(5月14日)
「『デジタル官』とは、内閣総理大臣の申し出によって内閣が任命するというポジションであり、他の幹部人事とは少し異なる。
それ以外の人事に関しては、オープンにしていこうと、すでに面接を始めている。
デジタル庁には、『CISO(情報セキュリティ責任者)』『CTO(技術責任者)』『CDO (デジタル、データ責任者)』『CPO(プロダクト責任者)』といったポストにすべて民間人を採用する。これらは早めに発表し、目玉人事となる見込みだ。
その上に『デジタル官』が居る、という組織体制である」(5月21日)
「デジタル庁はデータのオーソリティとしてデータ戦略を推進した新たな価値を創造していきたいと考えている。
このたび、ワクチン接種記録システムVRSへの接種記録のデータのダッシュボードを公開した。
VRSは4月12日の運用開始から約一か月半が経過し、直近では1日30万回前後が入力され、日々数字が積み上がっている。
接種の進捗状況を知っていただくことでデータの分析などしやすくすることを目的として、ダッシュボードを可視化して政府CIOポータルや官邸ホームページに掲載している。
マシンリーダブルなデータ形式でデータのダウンロードも可能になっているので、研究者や技術者にもお使いいただけるのではないか」(5月28日)
▼新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)|政府CIOポータル
https://cio.go.jp/c19vaccine_dashboard
参考:平井大臣 動画一覧|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/category_index.html?t=184
河野規制改革担当相は定例記者会見で次のように述べました。
「押印署名の見直しを含む、デジタル整備法・デジタル関連法が成立した。
この押印書面の見直しの関連では48の法律が一括改正され、押印義務が廃止される手続きが98%を超える。
最終的には99.2%、ほとんどが認印だが、廃止する予定。
具体的には、不動産関係の書面の電子化が可能となる。例えば都市部で働いている方々も事前の契約のためにいちいち現地へ行かなくても地方の物件の売買賃貸が行いやすくなる。これによってワーケーションがより拡大する可能性があるのではないか。
また、レシート・領収書の電子化も可能となった。
公認会計士の押印が必要だった監査証明書は、年間3万枚以上あった。
建築士の押印が必要だった設計関係の書類、例えば5階建て3000平米のビルであれば150ま〜250枚、そのすべてに建築士がはんこを押さなければいけなかった。こういったものもなくなる。
押印の見直しについて、行政の『書面・対面原則』の見直しも進めていく。(各府省にオンライン化の方針を示すよう求めたところ)98%近くの手続きが5年以内にオンライン化するという回答となった。
これまで費用対効果がないからオンライン化しない、と言っていたものについても、eメールなどでも提出を認めるということにした。例えば消防計画の作成変更の届出など、消防法令に基づく各種手続きはすでに電子メールによる提出が順次始まっている。
一般旅券のパスポートの発給申請も令和5年末までにオンライン化される予定」
(5月12日)
「規制改革推進会議において、デジタル時代の刑事法のあり方、デジタル技術の進展を踏まえた大学高校の設置基準の見直し、および、外部人材の積極活用のための教員資格制度の見直しに関する意見を取り上げて会議として決定する」(5月18日)
▼[参考]規制改革推進会議 議事次第|内閣府
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20210518/agenda.html
「公証制度に関して、デジタル化が不十分という意見も多い。引き続きこの問題は法務省と協議していく」(5月28日)
参考:河野大臣 動画一覧|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/category_index.html?t=182