DX・デジタル化関連大臣発言まとめ(2021年3月)

国の「デジタル化」推進に向けた、各大臣の発言まとめをお伝えします。

1.政府統一Webサイト公募スタートほか 平井デジタル改革担当相

平井デジタル改革担当相は定例記者会見で、以下のように述べました。

(1)政府統一Webサイト 公募スタート

「デジタル庁先行プロジェクトの公募として、政府統一Webサイトの公募をスタートした。

現状の政府Webサイトは、各府省それぞれバラバラで多数存在する上、それぞれの仕様・デザインも全く違うため、利用者が必要な情報にたどり着くのに階層が深く、面倒だという課題がある。

今回は、政府統一Webサイトとして、“人にやさしいデジタル化”を進める観点から、省庁の垣根を越えて必要な情報に誰もが素早くアクセスできるようなデジタルサービスの提供を目指すものだ。

具体的な仕様はこれから検討していくが、その先駆けとして4月頃にデジタル庁の関連情報を掲載する暫定版のサイトを構築する予定。 

スピードとアジャイルを重視し、国民の皆さんのフィードバックを得ながらUI・UXの継続的な改善や、コンテンツの充実を図りたい」(3月5日)

(2)セキュリティ評価を受けたクラウドサービス 7社リストを公表

「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)で、セキュリティ面の評価を受けたクラウドサービス7社が今回登録され、公表する。

今回公表されたリストを活用することで、安全で利便性の高いクラウドサービスの導入を加速したい」(3月12日)

▼[参考]ISMAPクラウドサービスリスト|IPA 情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/security/ismap/cslist.html

(3)統合型入国者健康情報管理システム 開発について

オリ・パラ観光客向けのアプリの開発を進めていたが、仕様変更について記者からの質問に答えました。

「この『統合型入国者健康情報管理システム』は、オリ・パラ向け用途に限定せず、広く日本への入国者を対象として入国に係る様々な手続きを一つのシステムで管理するものだ。(オリ・パラ海外観光客受け入れについて)状況が変わったが、大枠については変更はない。

その上で、オリ・パラにおいての海外観客の受け入れを行わないことに伴い、システム仕様および運用方針を見直し、不要部分の削減ができないか内閣官房の下で今、精査している。

開発スケジュールは基本的に変わっていないので、今後、予算圧縮を含め見直し結果に応じ、確実な開発に取り組んでいく」(3月23日)

(4)マイナンバーカードの保険証利用 先送りについて

マイナンバーカードの健康保険証利用が先送りになったことについて、記者からの質問に答えました。

「今回はシステムトラブルではない。

医療現場のシステム改修の遅れ、半導体不足でPC調達が滞ったこと、コロナ禍の出勤制限により保険者がシステム登録する加入者データ確認作業の遅れが生じているなど、人の作業側の課題だ。10月に本格運用を見込んでいるが、ここからの6ヶ月を有効に使うほうが重要だ」(3月26日)

▼[参考]平井大臣 動画一覧|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/category_index.html?t=184

2.特許料オンライン納付の利便性向上ほか 河野規制改革担当相

河野規制改革担当相は定例記者会見で、以下のように述べました。

(1)特許料納付 オンラインでの利便性向上

「特許料の納付方法について、利便性向上を特許庁にお願いしていた。特許法等の一部を改正する法律案において、対応策が盛り込まれた。

特許料の納付方法として、あらかじめ特許庁に一定の金額を納めておき、出願等を行う場合、そこから都度払う『予納』制度があり、この予納制度は支払い全体の約7割を占める。

『予納』はこれまで、特許印紙を使うしか方法がなかった。出願人が郵便局などであらかじめこの特許印紙を買って、それを書面に貼って窓口に提出する。中には高額で8億円というものもあった。

これはセキュリティ上も非常に問題があり、出願人・特許庁双方の事務負担が大きい。

今日、閣議決定された改正案では、予納を印紙によらず、金融機関の窓口やインターネットバンキングの口座振込による納付を可能にした。

これで出願人が印紙を購入する手間が省けると共に、特許印紙の販売委託手数料も要らなくなる。特許印紙の販売委託手数料は3.3%である。

このほか、現在オンライン申請でのみクレジットカードが使えることになっているが、今後、窓口でも利用可能となる。

公布後1年以内に施行され、国民の利便性の向上、特許事務の効率化が図られることになる。

今回は、特許に関する見直しを行ったが、各府省の手数料支払いには、まだまだ印紙払いのみの手続も多くある。規制改革推進会議で今後更に検討していきたい。

支払い件数の多い手続から、例えば自宅からオンラインで払える、あるいは窓口払いが多く残っている手続は印紙に限らずクレジットカード払い等ができるようにしていきたい」(3月2日)

(2)地方税カード払い 利便性向上

「地方税はクレジットカード払いができるが、納税証明書を即時に発行できない課題があった。カード会社から自治体の口座に入金が確認できるまで、納税証明書の発行や、自動車税の納付確認システムへの登録をしてはならないことになっていた。

納税証明書が出るまで数週間かかっており、車検時期間際だと自動車税をクレジットカードで払うと車検に間に合わない、車検の時期が近くなったらクレジットカードで払うのはやめてください、という事態が起きていた。

しかし今回検討の結果、カード払いで即、納税証明書の発行あるいは自動車税の納付確認システムへの登録ができることになった。

地方税はクレジットカードで払っても、納税証明書がすぐ出るようになるので納税者にとっては非常に便利な対応となる」(3月9日)

(3)国民年金保険料免除手続き オンライン化について

縦割り110番に国民年金の保険料の免除手続きをオンラインでできるようにしてほしいと要望が寄せられている。

現在は、はがきで行わなければならない。

令和4年5月を目指してマイナポータル上での手続きを可能とするスケジュールで、システム開発を行うことになった。

免除措置の手続きは毎年7月なので、来年の手続きからオンラインでできるようになる」(3月12日)

(4)物流ドライバーのIT点呼 規制改革に向けて

「物流の生産性向上に資する規制改革について。

今までIT を使った(輸送ドライバーの)点呼は、優良事業所にだけ認められていた。

これをすべての事業者に拡大すべく、実証実験を始め、少なくとも秋頃を目処に共通のルールを策定する。

その結果を踏まえ、できるものから速やかに実施することになった」(3月19日)

(5)「製品安全四法」に基づく経産省への報告 デジタル化について

「製品安全に関する四つの法律、いわゆる『製品安全四法』に基づく経産省への報告について。

これまで紙媒体と電子媒体の両方の提出が求められ、事務負担軽減のため電子媒体に一本化してほしいという要望を地方自治体から受けた。

『製品安全四法』に基づき地方自治体が実施した立入検査の結果を、各地の経済産業局を通じて経産大臣に報告することが求められる。

9つの経済産業局のうち中部経済産業局のみが、電子と紙と両方の提出を求めていた。他(の経済産業局)は紙でも電子でもいいと。

どこの自治体も、電子データで作ったものをそのまま送るか紙に印刷しているので、電子データで作成したものを電子で送るほうが効率的だし、受ける側もその方が作業も保管も簡単だ。

よって4月から、電子媒体・電子メールによる報告に一本化する。

それから、電子メールで報告していても、別途、紙に公印を押して書面提出していたところがあったが、紙はやめて、電子メールのみ提出とする」(3月26日)

(6)ドローン飛行許可 オンライン化・ワンストップ化に向けて

「縦割り110番で要望頂いていた、ドローン飛行に関する航空法上の許可基準の改正と、手続きの合理化が行われた。

手続きの簡素化や、許可の改正でドローンが今後をもっと様々な用途に活用されることになると思う。

今後は官民合わせて、航空法・電波法などの手続きのオンライン化・ワンストップ化を進めていきたい」(3月30日)

▼[参考]河野大臣 動画一覧|政府インターネットテレビ
https://nettv.gov-online.go.jp/category_index.html?t=182

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