国内全68店舗1500名が働く小売の現場でのペーパーレス化の秘訣は「徹底した従業員目線」 〜株式会社BAKE事例〜

2013年10月に創業したチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」などを運営する株式会社BAKE。創業当初はBAKE CHEESE TART ルミネエスト新宿店の1店舗のみ。今では、北は仙台から南は沖縄まで日本国内だけで68店舗展開。全体で働く従業員は1500名程度に。

全国に展開をしている店舗があり、さらに店舗で働く人々の年齢やバックグランドはバラバラ。現場の人が働きやすい環境を作るという観点でペーパーレス化やクラウド活用を今進めているといいます。

今回、株式会社BAKE人事部マネージャーの並木さんにお話をお伺いいたしました。

並木さんは2020年1月にBAKEに入社。前職ではアパレル企業の人事として活躍。今は、採用以外の人事業務を担当されています。

―――BAKEさんはマニュアル作成ソフト「Teachme Biz‎」やクラウド労務管理システム「Smart HR」などペーパーレスやクラウド活用に積極的な印象です。並木さんが入社されて取り組んだことはありますか?

従業員が会社に対して何か申請をする手続きのペーパーレス化 ・電子化(ワークフローシステムの導入)です。
紙を印刷して押印をして提出ということは減らし、申請手続きのデジタル化前提で見直しました。
というのも当社は全国に店舗を展開しており、申請の手続きで「紙」が必要になると申請手続きができない店舗がでてくるからです。

―――できないとは、どういうことでしょうか?

店舗の中では印刷環境が整っている・いないなどの問題もあります。
印刷環境が整っていないと店舗で申請手続きができませんよね。
紙が前提になっていると、アルバイトさんは、シフトの有無にかかわらず紙を提出するために店舗まで出向く必要が出てきます。
このような状態だと、紙での申請はタイムラグが発生しますし、店舗の負担にもなるので今ワークフローでの申請に切り替えています。

―――ワークフローはどういった業務で使われてますか?

入社時、入社中、退職時などで必要な手続きは、ワークフローシステムで完結できるようにしています。基本的に必要な情報はスマホでできるようになっています。

―――紙が発生するときはどのようなときでしょうか?

「紙」でやっている手続きは雇用契約、年末調整、対行政への書類が残ってます。雇用契約については人事部門だけではなく法務との連携も必要で時間がかかってますね。
ただ、雇用契約や年末調整については本年度中にペーパーレス化したいと思ってます。

―――どちらも重要な書類ですし紛失のリスクを考えるとペーパーレス化が良さそうです。

緊急事態宣言下、人事で出社した業務としては給与計算とアルバイト雇用契約業務がありました。従業員本人にとっては一回限りであったり年一回の手続きなので業務負荷はそこまで大きくないかもしれませんが、店長やリーダーたちは何人も管理しないといけません。また個人情報を取り扱う以上、紛失事件が起きてしまっては、人事の信用も失いますし、お互いにとって良くないですからね。

―――ペーパーレス化が進んでいるものとそうじゃないものの違いって何があるのでしょうか?

従業員の負荷の高い業務から優先的に取り組んでいます。
あとは、業務の30%ぐらいしかシステムで対応できず、紙や他のシステムと併用しないといけないものは、紙での手続きを残しているものがありますね。
現場の人たちがいかに働きやすくなるかサポートしていくのが私たちの役目です。
お客さまと対面している従業員たちの負担にならない方法を考えることが人事としてのあるべき姿だと思っています
本部とのやりとりの時間が減ったら、その分お客様のために時間を使ってもらうようにできますよね。

―――導入時の苦労などありませんでしたか?

いやー苦労だらけでした(苦笑)
弊社は学生のアルバイトから、50代-60代の従業員など幅広い年齢層が揃っています。そのためどの年代でもわかりやすく操作できるようにするというのが特に苦労しました。
申請手続きの場合、スマホで誰でも同じゴールに辿りつけるような仕組みを作ることが求められます。
ワークフローで手続きを新しく行うようになった場合は、店長の上にいるユニットリーダーに相談して、テストを行い、同じゴールに辿りつけるかどうかを確認する、ということ徹底しています。

―――他に大きく変えたことはありますか?

人事側から、従業員に100%不備のない申請を求めるというのをやめました。
とりあえず申請してもらって、不十分なところに関しては人事がフォローするという流れに変えました。
従業員としては不備があって人事から指摘されることもなくなり、安心してスムーズに申請ができるようになったのではないかと感じています。
前職は弊社の10倍の規模だったので、今は規模が小さいぶん、店舗に寄り添った対応ができると判断し変えました。
あとは、「紙で急いでやりなさい」じゃなくて、スマホでいつでもどこでも申請できるようにしたということですね。

―――店舗目線徹底されてますね。店舗とのやりとりはどのようにされてますか?

Shopらん®というサービスを使ってます。
この前は、新型コロナウイルスの感染防止や熱中症に関する対応について発信しました。
昔は熱中症対策の冊子など店舗に配っていましたが、今では配ってません。
ただ、システムを使って発信しただけでは読まれないので、絵を多くするなど読んでもらうための工夫を意識しています。
具体的には、文字が多いと思われた瞬間にクリックもされなくなるので、4コマ漫画のような形でいいので分かりやすく配信するということをやっています。

―――従業員のシフトはどうされてますか?

シフトは自社で作成したシステムがあります。
従業員はスマートフォンから申請して、店長がコピー&ペーストをして勤怠管理システムに取り入れて連携させるというのをやってます。
1つのサービスで完結できないものは、MicrosoftやGoogleのサービスを使って補完してます。
業務ごとでそれぞれサービスを導入したら解決するのかもしれませんが、従業員目線では、その都度いろいろなサービスにログインする必要もあるし面倒ですよね。従業員が混乱しないような工夫をしてます。

―――ちなみに人事部でシフトに関するシステム作られたのですか?

はい、そうですね。
エンジニアのリソースも限られてますので、自分たちで要件定義をして自分たちでやりました。
そもそも人事であっても、システムであったり自動化に関しての知識やスキルが必要だと考えています。チーム内で教育や情報共有は意識してやっていますね。

―――今後取り組んでいきたいことはありますか?

人事として目指すところは全ペーパーレス化です。
雇用契約を電子契約で締結、秘密保持契約や身元保証人などは電子サインで完結できないかと考えています。
地方の従業員に紙を送るとなるとどうしても時間差が出るのでここはやりたいところです。
あと、チャットボットも導入していきたいですね。
どうしてもメールや電話で対応できないときがあるので、その時にチャットボットでサポートできたら、従業員はいつでも正しい情報に簡単にアクセスできるはずだと。
実は弊社は私が入ったタイミングで人事部の体制も大きく変わりました。
さらに新型コロナウイルスの影響で新しい働き方への対応が求められる状況で、今が一番変えられるチャンスだと考えています。
現場で頑張る子たちが安心して気持ちよく働ける環境を作っていくのはもちろんのこと、人事として、会社の経営方針を達成することをサポートする為に、新しいことに取り組み進んでいきたいです。

Digital Workstyle College 編集部
この記事を書いた人